上京保護司会の沿革と現況

1 沿革

昭和24年7月、更生保護に対する重要性の認識が高まり、犯罪者予防更生法が成立しました。
昭和25年5月になると保護司法が施行され、従来の司法保護委員は少年、成人保護司と改称され、保護観察に関する職務にあたりました。
当時の上京区には、下鴨署・中立売署・西陣署の各警察署管轄区域と、小学校の通学区を定めた学区をもとに保護司会が設けられ、その保護区は行政区に基づいて上京保護区とされました。実際には東西に二分され、さらに北分会が設けられて運営されていました。

昭和27年7月、法務省設置法が改正され現在の法務省の体制が整い、同年8月には保護司法が改正されて、保護司の使命、活動の目的・意義が明らかにされました。
同法には、保護司は社会奉仕の精神を持ってことに当たる篤志家であることが規定され、少年、成人保護司が統合され保護司と改称、保護司の任命権者が中央生保護委員会委員長から法務大臣となりました。
昭和30年10月、行政区の変更により、北保護区が新しく設置されました。これを機に、堀川通をもって東西に二分し、上京東地区、上京西地区の保護司会が誕生しました。その後、昭和42年7月保護区及び保護司定数改正で上京保護区となりましたが、上京保護司会東地区会と上京保護司会西地区会の形は存続しました。

平成 11 年 4 月、改正保護司法の施行により、東西に分かれていた上京保護司会東地区会と西地区会が統合され、現在の上京保護司会が誕生し、現在に至っています。

2 活動拠点

京都市上京区小川通寺之内下る射場町579(報恩寺内)上京保護司会更生保護サポートセンター

★上京保護司会更生保護サポートセンターとは

◇沿 革 平成 31 年 2 月、大橋会長(当時)の報恩寺内に開設
◇平日の月曜から金曜日 午前 10 時から午後 4 時 午前と午後に分けて会員が交代で当番しています。
◇役 割
①処遇支援活動推進の場
対象者との面接、関係機関との協議、協力雇用主連携促進
②会議の開催場所
役員会、理事会、専門部会の開催
③その他
用具類の保管、保護司同士の勉強会、相談の場等

◇強 味 ・寺境内にあるため。隣家や地域への気遣いが不要
     ・開設時間外も含めて対象者との面接等にいつでも使える
     ・駐車スペースがある

3 会員

上京保護区に配属されている保護司は、上京保護司会に所属します。
会員は、現在(令和7年6月1日現在)38名です。
保護司歴 1 年未満の新任者から 30 年以上のベテランで構成しています。
なお、年代別、男女別の状況は次のとおりです。(略)

4 役員

  会員の中から役員を選任しています。
  (1) 任期は2年(R7.5.15(総会で承認)~R9の総会開催日)
  (2) 人数は、今期は15名
    会長(1 名)、副会長(5 名)、理事(※8名)、監事(2 名)で構成しています。
    (※会則では理事は若干名)
  (3) 役員の役割は、会の幹部として会の運営等について協議することです。

5 会議

  当会の基幹会議は次のとおりです。
  (1)総会
     議長は会長、構成員は全会員
     毎年度当初、会長が招集して京都保護観察所会議室で定例総会を開催
     総会は、当該年度の事業計画や予算が審議決定される重要な会議であり、
     原則として全保護司の出席の下開催されます。

  (2)理事会
     議長は会長、構成員は、会長、副会長、理事 計14 名で構成されます。
     毎月1回、会長が招集してサポートセンターで開催、総会提出議案や
  総会の議決を要しない会務の執行に関する事項等を協議・決定しています。

  (3)役員会
   議長は会長、構成員は、会長、副会長 計6名です。
  理事会上程議題および重要議題について適宜開催します。

  (4)専門部会会議
   会員は、全員いずれかの専門部会に参画していただきます。
  専門部会毎に部会長を中心に随時打ち合わせ等を行います。

  (5)サポートセンター運営会議
  年間を通して随時、 サポートセンター部会が、 サポートセンターの
  運営について協議します。

  (6)ホームページ運営会議
   年間を通して随時、当保護司会のホームページの運営について協議します。

6 研修会の開催

当会では、 保護司に必要な知識やスキル向上のため、 多様な研修の場を確保しています。

  (1)地域別定例研修会
     京都保護観察所主任官を講師に招いて、年3回定例研修会を開催しています。

  (2)自主研修会
     定例研修会のほかに、当保護司会として独自の自主研修会を年2回程度開催しています。

  (3)他団体主催の研修会への参加
   〇 京都府保護司連盟が主催して、毎年1回、Hグランヴィアに府内の多くの
     保護司を一堂に会して、さまざまな講師を招いて特別研修会を開催しています。また、
研修会の後は、他地区の保護司と同じテーブルで飲食付意見交換会も開催され、
保護司間の交流・情報交換が図れます。
〇 更生保護法人日本更生保護協会が主催し、オンライン講演会が年 1 回開催されています。
YouTube で一定期間配信され自宅等で自分の都合のよい時間に視聴できます。
〇 京都府更生保護女性連盟が主催して、毎年1回(例年12月)、公開シンポジウムを開催しています。

(4)新年研修会
毎年1月に、会員が一堂に会して、 飲食付きの新年研修会を開催しています。 当研修会は、
会員間の交流の場でもあり、毎年多くの会員が参加しています。

7 主な犯罪予防活動

保護司法で、保護司の使命として、犯罪をした者及び非行のある少年の改善更生を助けることとともに、犯罪の予防のため世論の啓発に努めることが規定されており、当会として以下のような犯罪予防活動を実施しています。

(1)社会を明るくする運動
社会を明るくする運動は、すべての国民が、犯罪や非行の防止と罪を犯した人たちの更生について理解を深め、それぞれの立場で力を合わせ、犯罪のない地域社会を築こうとする全国的な運動で、 2025 年で 75 回目を迎えました。当会でも、学区別にミニ集会、学区祭等を通して地域住民に社明啓発を行い、 「社会を明るくする運動」に積極的に取り組んでいます。

◆啓発パレード
当保護司会犯罪予防部会 (パレード) が中心となって、啓発パレードを企画・実施しています。
毎年 9 月、少年補導、住民協議会、更生保護女性会、BBSの参加も得て、西陣中央小で社明総理大臣メッセージの伝達式を実施した後、 西陣中央小から今出川通を京都保護観察所までパレードするとともに、 その後、 烏丸今出川周辺で街頭啓発活動を行っています。
このイベントは当保護司会の年間を通じた最大のイベントであり、多数の会員が参加しています。

◆社明作文コンテスト
当保護司会犯罪予防部会(作文)が中心となって、社会を明るくする運動「京都府作文コンテスト」 と 「上京区作文コンテスト」 に取り組んでいます。
この作文コンテストは、上京区内の小・中学生の皆さんに、日常生活での体験を通じて、犯罪や非行のない明るい社会づくりについて考えたことや感じたことを作文にすることで、本運動に対する理解を深めてもらうことを目的として実施しています。
12 月には京都府社明作文コンテスト表彰式が、2 月には上京区社明作文コンテスト表彰式が開催され、上京区の子供たちの作文もこれまで最高賞である京都府知事賞などに多数入賞しています。

◆京都マラソン応援時の社明啓発活動
2 月に実施される京都マラソン応援時に社明啓発活動を行っています。

(2)青少年健全育成事業
協力組織部会(健全育成)が中心となって、親子食育教室、食育啓発パネル展、講演会、シンポジウム等を実施しています。

(3)学校との連携
各学区ごとに学校長、学区関係団体、PTA および警察署・保護司等で構成される会合に出席して、学区児童の状況と学区内で起きた事象等について意見交換をしています。

(4)薬物乱用防止指導員
地域及び学校内における薬物乱用防止啓発活動を積極的に推進するため設置された「薬物乱用防止指導員協議会」の薬物乱用防止指導員として、 現在、上京区内では諸団体のほか当保護司会から 4 名、上京更生保護女性会からは 6 名が活動しています。
当保護司会では、毎年6月、 11 月の街頭啓発や年2回の研修会、上京小・中学校3校での薬物乱用防止教室などに取り組んでいます。

8 年間行事一覧(令和 6 年度(主なもの))

年間行事(令和6年度)

9 活動財源

7の活動費をはじめ、保護司会が主催する会議・研修費やサポートセンター運営経費については、国から実費弁償金が支給されます。

https://kamigyohogo.org/wp-content/uploads/2025/10/あらまし公開.pdf